1
追風「せい!」
スカッ
追風「ぬん!」
スカッ
追風「おのれ!」
スカッ
追風「なぜだ? なぜ当たらない?」
神風「どうした追風」
追風「神風か。スイカが割れない」
2
神風「本来、スイカ割りは目を隠すものじゃ」
追風「ならば、目を隠して……」
神風「いや、追風を見ていたらうまくはないじゃろう」
追風「くっ! ここは、剣の指導者を呼ぶしか無い」
神風「誰か……あ」
追風「いたぞ! おーい高雄!」
高雄「ん? 追風か」
追風「スイカを割るのに手伝ってくれ!」
愛宕「どうしたの目が見えないから困って……」
追風「違う! 目が見えるのにスイカが割れない!」
愛宕、高雄「はぁ?」
3
高雄「目が見えないスイカ割りじゃなくて目が見えるスイカ割りで苦戦?」
追風「不甲斐ないが、わっちはそれに苦戦している」
高雄「しかたない、手本を見せる。愛宕」
愛宕「はい、高雄ちゃん。ここならいいかしら」
高雄「……もらった!」
ザクッ!
神風「おー」
高雄「こんなものか」
追風「これなら行ける!」
神風「あまり、につまらぬでないぞ」
追風「心配するな!」
4
追風「深呼吸しろ。集中して集中して……」
ふわッ
追風「そこだ!」
ザクッ!
追風「きまった!」
神風「お見事!」
高雄「見事だ追風」
追風「集中しすぎたのか……つかれが……」
愛宕「あ、寝込んじゃった」
神風「あれだけしきりに叩いていたからのう」
高雄「無理はないか」